Ubuntu 24.04 LTS(コードネーム: Noble Numbat)は、2024年4月25日にリリースされたCanonicalの最新Long Term Supportディストリビューションです。現時点で推奨される移行先であり、標準サポートは2029年4月30日まで提供されます。Ubuntu Pro(旧Ubuntu Advantage)に登録することでExtended Security Maintenance(ESM)が2034年4月まで提供されます。本記事では、Ubuntu 24.04 LTSのサポート終了日と、Ubuntu 22.04 LTSからの移行方法について解説します。
Ubuntu 24.04 LTS のサポート期限一覧
| サポート種別 | 開始日 | サポート終了日 | 現在のステータス |
|---|---|---|---|
| 標準サポート(Ubuntu 24.04 LTS) | 2024-04-25 | 2029-04-30 | サポート中 |
| ESM(拡張セキュリティ保守) | 2029-05-01 | 2034-04-30 | Ubuntu Pro登録で有効 |
| レガシーサポート(Ubuntu Pro + Legacy) | 2034-05-01 | 2036-04-30 | 有償オプション |
Ubuntu LTS サポートポリシー
Ubuntu LTSはリリースから5年間の標準サポートが提供されます。その後Ubuntu Proへの登録でさらに5年間のESMが追加され、合計10年のセキュリティカバレッジを確保できます。ESMはカーネル・主要パッケージだけでなく、universe リポジトリのパッケージにも適用されます。
基本情報・Ubuntu Pro(ESM)
- 最新バージョン: 24.04.2 LTS(2025年2月リリース)
- カーネルバージョン: Linux 6.8(HWE使用で最新カーネルに対応)
- Ubuntu Pro(ESM)の費用: 個人・非営利目的で最大5台まで無料。6台以上または法人利用はUbuntu Pro有償契約が必要
- ESM登録方法:
sudo pro attach <token>(Ubuntu Proポータルでトークン取得後)またはUbuntu Proポータルから登録 - ESMの対象パッケージ: 標準リポジトリ(main)+ universe リポジトリのパッケージ
- 後継製品: Ubuntu 26.04 LTS(2026年4月リリース予定)
Ubuntu 24.04 LTS の主な特徴
Ubuntu 22.04 LTSからの移行先として現在推奨されているバージョンです。主要コンポーネントのバージョンアップと長期サポートの組み合わせで、2029年まで安定した運用が可能です。
カーネル・システム
Linux Kernel 6.8を採用し、最新ハードウェアへの対応と電力効率の改善が含まれています。GNOME 46がデスクトップ環境として採用され、systemdのさらなる改善が含まれています。セキュリティ機能としてAppArmorのプロファイル強化とUnprivileged User Namespace Restrictionsがデフォルト有効になりました。
開発環境
Python 3.12がデフォルトとなり、GCC 13.2、OpenSSL 3.2が採用されています。PHP 8.3・Ruby 3.2・Node.js 18.xが標準リポジトリで提供されています。Python 3.12ではdistutilsが標準ライブラリから完全削除されているため、これに依存する古いパッケージには注意が必要です。
2029年4月以降のリスク
Ubuntu 24.04 LTSの標準サポートは2029年4月30日に終了します。現時点では5年近くの余裕がありますが、大規模環境では移行計画に1〜2年かかるケースもあります。早めに次のLTSへの移行ロードマップを検討しておくことを推奨します。
1. セキュリティ脆弱性の放置
標準サポート終了後はカーネルおよびパッケージへのセキュリティパッチが提供されなくなります(ESM未登録の場合)。CVEの公開から修正パッチ適用まで数日から数週間かかるため、その間の攻撃リスクが増大します。特にWebサーバー・データベース・SSHなど外部公開サービスへの影響は深刻です。
2. 新しいソフトウェアとの非互換
Python 3.12・PHP 8.3・Node.js 18.xは2029年以降にアップストリームサポートが終了しているか、最新フレームワークの対応が打ち切られている可能性があります。コンテナイメージや各種ツールチェーンの新バージョンとの整合性も保証されなくなります。
3. コンプライアンス対応の困難化
PCI DSS・ISMSなどの認証では、サポート切れOSの運用に対して追加のリスク対応説明が求められます。クラウドサービス(AWS・Azure・GCP)のコンプライアンスレポートでもEOL OSは要注意フラグが立つため、監査対応コストが増大します。2029年4月以降に向けた移行計画は2027〜2028年頃から着手することを推奨します。
推奨される移行先
Ubuntu 24.04からの次の移行先はUbuntu 26.04 LTS(2026年4月リリース予定)です。現時点では標準サポートまで4年以上の余裕があるため、急ぐ必要はありませんが、26.04リリース後に検証環境で動作確認を始めることが理想的です。
Ubuntu 26.04 LTS(次世代LTS・2026年4月リリース予定)
- リリース予定: 2026年4月
- サポート期間(予定): 標準サポート 2031年4月まで、ESM 2036年4月まで
- メリット: Ubuntu 24.04からdo-release-upgradeで直接アップグレード予定。24.04より長いサポート期間で次の移行まで余裕が生まれる
- 適したケース: 2029年の24.04 EOL前に余裕を持って移行したい場合
Amazon Linux 2023 / RHEL系(クラウド環境)
- サポート期間: Amazon Linux 2023は標準 2027年6月まで、メンテナンス 2029年6月まで
- メリット: AWS環境ならAmazon Linux 2023がEC2との統合が最もスムーズ。RHEL系ならAlmaLinux 9・Rocky Linux 9が無償の選択肢
- 適したケース: AWS上で運用中の環境でインフラをAWS最適化したい場合
Ubuntu 22.04 LTSからの移行時の注意点
Python 3.10 → 3.12 の変更distutilsが標準ライブラリから完全削除されています。これに依存する古いパッケージ(古いsetuptools等)でインストールエラーが発生します。また型ヒントの扱いが一部変更されています。移行前にvirtualenv環境でのテストを推奨します。
PHP 8.1 → 8.3 の変更
PHP 8.2で非推奨化された動的プロパティの作成が8.3では警告からエラーになるケースがあります。WordPressや各種CMSを運用している場合、プラグイン・テーマの互換性確認を行ってください。php -lによる構文チェックとステージング環境での検証を強く推奨します。
MySQL 8.0 → 8.4 の変更mysql_native_password認証プラグインがMySQL 8.4ではデフォルト無効になっています。古いアプリケーションや接続ドライバを使用している場合は、認証方式の変更が必要です。移行前にSELECT user, plugin FROM mysql.user;で認証方式を確認してください。
Unprivileged User Namespace Restrictions
Ubuntu 24.04ではセキュリティ強化のため、非特権ユーザーによるユーザー名前空間の作成が制限されています。Dockerや一部のサンドボックス系ツールを使用している場合、設定変更またはAppArmorプロファイルの調整が必要になる場合があります。
do-release-upgradeの事前準備
アップグレード前にサードパーティのAPTリポジトリを無効化し、sudo apt update && sudo apt full-upgradeで最新パッチを適用した状態にしてください。スナップショット取得後にsudo do-release-upgradeを実行することを強く推奨します。
物理サーバーの更新か、VPSへの移行か
Ubuntu 22.04を物理サーバーで運用しており、24.04への移行タイミングを検討している場合、ハードウェアの老朽化が重なるなら VPS(仮想プライベートサーバー)への移行も有力な選択肢です。新しいOSへの移行とあわせてインフラを刷新することで、今後のサーバー保守コストを大幅に削減できます。
VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。
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公式情報
- Ubuntu 24.04 LTS リリースノート – Ubuntu Wiki
- Ubuntu リリースサイクル – Canonical
- Ubuntu Pro(ESM登録) – Canonical
- Ubuntu Server アップグレードガイド – Canonical