Ubuntu 22.04 LTS(コードネーム: Jammy Jellyfish)は、2022年4月21日にリリースされたCanonicalのLong Term Supportディストリビューションです。標準サポートは2027年4月30日まで提供されます。Ubuntu Pro(旧Ubuntu Advantage)に登録することでExtended Security Maintenance(ESM)が2032年4月まで提供されます。本記事では、Ubuntu 22.04 LTSのサポート終了日と、Ubuntu 24.04 LTSへの移行方法について解説します。
Ubuntu 22.04 LTS のサポート期限一覧
| サポート種別 | 開始日 | サポート終了日 | 現在のステータス |
|---|---|---|---|
| 標準サポート(Ubuntu 22.04 LTS) | 2022-04-21 | 2027-04-30 | サポート中 |
| ESM(拡張セキュリティ保守) | 2027-05-01 | 2032-04-30 | Ubuntu Pro登録で有効 |
| レガシーサポート(Ubuntu Pro + Legacy) | 2032-05-01 | 2034-04-30 | 有償オプション |
Ubuntu LTS サポートポリシー
Ubuntu LTSはリリースから5年間の標準サポートが提供されます。その後Ubuntu Proへの登録でさらに5年間のESMが追加され、合計10年のセキュリティカバレッジを確保できます。ESMはカーネル・主要パッケージだけでなく、universe リポジトリのパッケージにも適用されます。
基本情報・Ubuntu Pro(ESM)
- 最新バージョン: 22.04.5 LTS(2024年9月リリース)
- カーネルバージョン: Linux 5.15(HWE使用で6.8まで対応)
- Ubuntu Pro(ESM)の費用: 個人・非営利目的で最大5台まで無料。6台以上または法人利用はUbuntu Pro有償契約が必要
- ESM登録方法:
sudo pro attach <token>(Ubuntu Proポータルでトークン取得後)またはUbuntu Proポータルから登録 - ESMの対象パッケージ: 標準リポジトリ(main)+ universe リポジトリのパッケージ
- 後継製品: Ubuntu 24.04 LTS(標準サポート 2029年4月、ESM 2034年4月)
Ubuntu 22.04 LTS の主な特徴
Ubuntu 20.04 LTSからの移行や現在も22.04を運用しているシステム管理者に向けて、主要な特徴を整理します。
カーネル・システム
Linux Kernel 5.15 LTSを採用しています。systemd 249によるサービス管理の改善、nftablesがiptablesのデフォルトバックエンドになるなど、インフラ管理面での変更が含まれています。Wayland がデスクトップ環境のデフォルトとなりました(GNOME 42採用)。
開発環境
Python 3.10がデフォルトとなり、GCC 11.2、OpenSSL 3.0が採用されています。PHP 8.1・Ruby 3.0・Node.js 12.22が標準リポジトリで提供されています。OpenSSL 3.0はOpenSSL 1.1.1から大幅な変更を含むため、Ubuntu 20.04からの移行時には互換性の確認が必要です。
2027年4月以降のリスク
Ubuntu 22.04 LTSの標準サポートは2027年4月30日に終了します。ESM未登録のまま運用を続けた場合、以下のリスクが生じます。今から移行計画を立てることで、2027年の期限に余裕を持って対応できます。
1. セキュリティ脆弱性の放置
標準サポート終了後はカーネルおよびパッケージへのセキュリティパッチが提供されなくなります(ESM未登録の場合)。CVEの公開から修正パッチ適用まで数日から数週間かかるため、その間の攻撃リスクが増大します。特にWebサーバー・データベース・SSHなど外部公開サービスへの影響は深刻です。
2. 新しいソフトウェアとの非互換
Ubuntu 22.04のPython 3.10・PHP 8.1・Node.js 12.22は、2027年以降にはアップストリームサポートが終了しているか、最新フレームワークの対応が打ち切られている可能性があります。コンテナイメージの新バージョンとの整合性も保証されなくなります。
3. コンプライアンス対応の困難化
PCI DSS・ISMSなどの認証では、サポート切れOSの運用に対して追加のリスク対応説明が求められます。クラウドサービス(AWS・Azure・GCP)のコンプライアンスレポートでもEOL OSは要注意フラグが立つため、監査対応コストが増大します。2027年の標準サポート終了に向けた移行計画を早めに立てることを推奨します。
推奨される移行先
Ubuntu 22.04からの移行先はUbuntu 24.04 LTS一択です。do-release-upgradeで直接アップグレードができるため、移行コストを最小化できます。2027年4月の期限まで余裕があるうちに、検証環境での動作確認から始めることを推奨します。
Ubuntu 24.04 LTS(推奨)
- サポート期間: 標準サポート 2029年4月まで、ESM 2034年4月まで
- メリット: Ubuntu 22.04からdo-release-upgradeで直接アップグレード可能。Linux 6.8カーネル。Python 3.12・OpenSSL 3.2・PHP 8.3・MySQL 8.4に対応
- 適したケース: 既存システムをできるだけ変更せずに移行したい場合、長期運用で次の移行まで余裕を確保したい場合
Ubuntu 26.04 LTS(2026年リリース予定・長期計画向け)
- リリース予定: 2026年4月(予定)
- サポート期間: 標準サポート 2031年4月まで、ESM 2036年4月まで(予定)
- 適したケース: 2027年のEOLまでに22.04→24.04→26.04と計画的に移行するロードマップを描く場合
Amazon Linux 2023 / RHEL系(クラウド環境)
- サポート期間: Amazon Linux 2023は標準 2027年6月まで、メンテナンス 2029年6月まで
- メリット: AWS環境ならAmazon Linux 2023がEC2との統合が最もスムーズ。RHEL系ならAlmaLinux 9・Rocky Linux 9が無償の選択肢
- 適したケース: AWS上で運用中の環境でインフラをAWS最適化したい場合
移行時の注意点
Python 3.10 → 3.12 の変更
Ubuntu 24.04ではPython 3.12が標準です。distutilsが標準ライブラリから削除されており、これに依存するパッケージ(古いsetuptools等)でインストールエラーが発生します。また型ヒントの扱いが一部変更されています。移行前にvirtualenv環境でのテストを推奨します。
PHP 8.1 → 8.3 の変更
Ubuntu 24.04の標準PHPは8.3です。PHP 8.1から8.3への変更は比較的小さいですが、非推奨関数の削除や動的プロパティの扱いの変更(8.2で非推奨化)があります。WordPressや各種CMSを運用している場合、プラグイン・テーマの互換性確認を忘れずに行ってください。
MySQL 8.0 → 8.4 の変更
Ubuntu 24.04ではMySQL 8.4が標準です。MySQL 8.0で非推奨だったmysql_native_password認証プラグインが8.4では無効化されています。アプリケーションの接続設定や古いドライバを使用している場合は事前に確認が必要です。
iptables → nftables の移行
Ubuntu 22.04ではiptablesのデフォルトバックエンドがnftablesに変更されました。Ubuntu 24.04でもこの構成が継続されます。手動でiptablesルールを管理している場合、アップグレード後のファイアウォール設定を必ず確認してください。
do-release-upgradeの事前準備
アップグレード前にサードパーティのAPTリポジトリを無効化し、sudo apt update && sudo apt full-upgradeで最新パッチを適用した状態にしてください。スナップショット取得後にsudo do-release-upgradeを実行することを強く推奨します。
物理サーバーの更新か、VPSへの移行か
Ubuntu 22.04を物理サーバーで運用している場合、2027年4月の標準サポート終了はハードウェアの更新サイクルと重なるケースもあります。OSの移行とあわせてVPS(仮想プライベートサーバー)への移行を検討することで、今後のサーバー保守コストを大幅に削減できます。
VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。
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公式情報
- Ubuntu 22.04 LTS リリースノート – Ubuntu Wiki
- Ubuntu リリースサイクル – Canonical
- Ubuntu Pro(ESM登録) – Canonical
- Ubuntu Server アップグレードガイド – Canonical