Ubuntu 20.04 LTS

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Ubuntu 20.04 LTS(コードネーム: Focal Fossa)は、2020年4月23日にリリースされたCanonicalのLong Term Supportディストリビューションです。標準サポートは2025年4月30日に終了しましたが、Ubuntu Pro(旧Ubuntu Advantage)に登録することでExtended Security Maintenance(ESM)が2030年4月まで提供されます。本記事では、Ubuntu 20.04 LTSのサポート状況と、Ubuntu 22.04 LTS・24.04 LTSへの移行方法について解説します。

Ubuntu 20.04 LTS のサポート期限一覧

サポート種別 開始日 サポート終了日 現在のステータス
標準サポート(Ubuntu 20.04 LTS) 2020-04-23 2025-04-30 終了済み
ESM(拡張セキュリティ保守) 2025-05-01 2030-04-02 Ubuntu Pro登録で有効
レガシーサポート(Ubuntu Pro + Legacy) 2030-05-01 2032-04-30 有償オプション

Ubuntu LTS サポートポリシー
Ubuntu LTSはリリースから5年間の標準サポートが提供されます。その後Ubuntu Proへの登録でさらに5年間のESMが追加され、合計10年のセキュリティカバレッジを確保できます。ESMはカーネル・主要パッケージだけでなく、universe リポジトリのパッケージにも適用されます。

基本情報・Ubuntu Pro(ESM)

  • 最終バージョン: 20.04.6 LTS(2023年3月23日リリース)
  • カーネルバージョン: Linux 5.4(HWE使用で5.15まで対応)
  • Ubuntu Pro(ESM)の費用: 個人・非営利目的で最大5台まで無料。6台以上または法人利用はUbuntu Pro有償契約が必要
  • ESM登録方法: sudo pro attach <token>(Ubuntu Proポータルでトークン取得後)またはUbuntu Proポータルから登録。旧コマンド ubuntu-advantage はエイリアスとして利用可能
  • ESMの対象パッケージ: 標準リポジトリ(main)+ universe リポジトリのパッケージ
  • 後継製品: Ubuntu 22.04 LTS(ESM 2032年4月)、Ubuntu 24.04 LTS(ESM 2034年4月)

Ubuntu 20.04 LTS の主な特徴

Ubuntu 18.04 LTSからの移行や20.04を現在も運用しているシステム管理者に向けて、主要な特徴を整理します。

カーネル・システム

Linux Kernel 5.4を採用し、WireGuard VPNがカーネルに統合されています。ZFS on rootが正式サポートされ、cgroups v2への移行も開始されました。システムの起動時間短縮とメモリ管理の改善が含まれています。

開発環境

Python 3.8がデフォルトとなり(Python 2は削除)、GCC 9.3、OpenSSL 1.1.1が採用されています。PHP 7.4・Ruby 2.7・Node.js 10.19が標準リポジトリで提供されています。なおPHP 7.4はすでにEOLのため、本番環境では追加リポジトリ(ondrej/php等)の利用が一般的です。

サポート終了後のリスク

ESM未登録のままUbuntu 20.04 LTSを運用し続けた場合、2025年5月以降すでにセキュリティパッチが適用されていない状態です。ESM登録済みの環境でも2030年4月以降は以下のリスクが生じます。

1. セキュリティ脆弱性の放置

標準サポート終了後はカーネルおよびパッケージへのセキュリティパッチが提供されません(ESM未登録の場合)。OpenSSL 1.1.1はすでにアップストリームのサポートが終了しており、Ubuntu 20.04のセキュリティパッチはCanonicalが独自に対応しています。ESM期間終了後はこの対応もなくなります。

2. 新しいソフトウェアとの非互換

Ubuntu 20.04のglibc 2.31やPython 3.8は、最新のアプリケーションフレームワークがすでにサポートを打ち切り始めています。Node.js・Rustのツールチェーン・各種コンテナイメージの新バージョンとの整合性も保証されなくなります。

3. コンプライアンス対応の困難化

PCI DSS・ISMSなどの認証では、サポート切れOSの運用に対して追加のリスク対応説明が求められます。クラウドサービス(AWS・Azure・GCP)のコンプライアンスレポートでもEOL OSは要注意フラグが立つため、監査対応コストが増大します。ESM期間中であっても、2030年4月以降に向けた移行計画を早めに立てることが推奨されます。

推奨される移行先

Ubuntu 20.04からの移行先は、運用期間の目標によって選択が変わります。Ubuntu 22.04 LTSへはdo-release-upgradeで直接アップグレードできるため、移行コストを最小化できます。新規構築であればUbuntu 24.04 LTS一択です。

Ubuntu 22.04 LTS(推奨・既存環境の移行)

  • サポート期間: 標準サポート 2027年4月まで、ESM 2032年4月まで
  • メリット: Ubuntu 20.04からdo-release-upgradeで直接アップグレード可能。Python 3.10・OpenSSL 3.0に対応。既存のアプリケーション構成を最小限の変更で維持できる
  • 適したケース: 既存システムをできるだけ変更せずに移行したい場合、社内で検証済みのミドルウェア構成を維持したい場合

Ubuntu 24.04 LTS(推奨・新規構築・長期運用)

  • サポート期間: 標準サポート 2029年4月まで、ESM 2034年4月まで
  • メリット: Linux 6.8カーネル。Python 3.12・OpenSSL 3.0対応。Ubuntu 22.04より長いサポート期間で次の移行まで余裕が生まれる
  • 適したケース: 新規サーバー構築、コンテナベースでアプリを刷新する場合。20.04→22.04→24.04と2段階アップグレードも可能

Amazon Linux 2023 / RHEL系(クラウド環境)

  • サポート期間: Amazon Linux 2023は標準 2027年6月まで、メンテナンス 2029年6月まで
  • メリット: AWS環境ならAmazon Linux 2023がEC2との統合が最もスムーズ。RHEL系ならAlmaLinux 9・Rocky Linux 9が無償の選択肢
  • 適したケース: AWS上で運用中の環境でインフラをAWS最適化したい場合

移行時の注意点

OpenSSL 1.1.1 → 3.0 への変更
Ubuntu 22.04ではOpenSSL 3.0が標準となります。OpenSSL 1.1.1で非推奨だったAPIの一部が3.0では削除されており、独自ビルドのアプリケーションや一部の古いライブラリでビルドエラーが発生するケースがあります。事前にopenssl-legacy-providerが必要なアプリケーションがないか確認してください。

Python 3.8 → 3.10 の変更
Ubuntu 22.04ではPython 3.10が標準です。構文的な後方互換性は高いですが、型ヒントの扱いや一部の非推奨機能の削除により、既存スクリプトで警告・エラーが発生する場合があります。移行前にvirtualenv環境でのテストを推奨します。

PHP 7.4 → 8.1 への変更
Ubuntu 22.04の標準PHPは8.1です。PHP 7.4はすでにEOLのため移行は必須ですが、非推奨関数の削除や型チェックの厳格化により、既存のWordPressプラグインやWebアプリケーションで動作確認が必要です。php -lによる構文チェックとステージング環境での検証を強く推奨します。

ESM登録状態の確認
現在ESM未登録の場合、sudo pro statusでステータスを確認できます。標準サポートはすでに終了しているため、ESM未登録の環境は今すぐ登録するか、移行計画を優先してください。移行作業は小規模環境で2〜3ヶ月、中規模(50台以上)で6ヶ月〜1年を見込んでください。

do-release-upgradeの事前準備
アップグレード前にサードパーティのAPTリポジトリを無効化し、sudo apt update && sudo apt full-upgradeで最新パッチを適用した状態にしてください。スナップショット取得後にsudo do-release-upgradeを実行することを強く推奨します。

物理サーバーの更新か、VPSへの移行か

Ubuntu 20.04を物理サーバーで運用している場合、標準サポートはすでに終了しています。ハードウェアの老朽化が重なるなら、Ubuntu 22.04・24.04への移行とあわせてVPS(仮想プライベートサーバー)への移行を検討する価値があります。

VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。

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公式情報