Rocky Linux 9

最終更新:

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

Rocky Linux 9(コードネーム: Blue Onyx)は、2022年7月14日にリリースされたエンタープライズ向けLinuxディストリビューションです。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)9と100%のバイナリ互換性を持ち、Rocky Linux 8の後継版として位置づけられます。Active Supportは2027年5月31日まで、完全なサポート終了(EOL)は2032年5月31日です。本記事では、Rocky Linux 9のサポート終了日と、Rocky Linux 8からの移行方法について解説します。

Rocky Linux 9 のサポート期限一覧

サポート種別 開始日 サポート終了日 現在のステータス
Active Support 2022-07-14 2027-05-31 サポート中
Maintenance Support(セキュリティ更新のみ) 2027-06-01 2032-05-31 今後提供

Rocky Linux 9 のサポートポリシー
Rocky Linux 9はRHEL 9のライフサイクルに準拠し、リリースから10年間のサポートが提供されます。最初の5年間(〜2027年5月)がActive Supportで、バグ修正・機能追加・セキュリティ更新がすべて提供されます。その後の5年間(〜2032年5月)はMaintenance Supportで、セキュリティ更新のみとなります。Rocky Linux 8と同様に、新しいマイナーバージョンがリリースされると旧マイナーバージョンは即座にサポート終了となります。

基本情報

  • 最新バージョン: 9.7(2025年12月1日リリース)
  • カーネルバージョン: Linux 5.14(RHEL 9と同一)
  • RHEL互換性: RHEL 9と100%バイナリ互換(bug-for-bug compatible)
  • OpenSSL: 3.0.1(Rocky Linux 8の1.1.1から大幅更新)
  • GCC: 11.2.1
  • Python: 3.9(デフォルト)
  • 対応アーキテクチャ: x86_64, aarch64, s390x, ppc64le
  • ライセンス: 無償・商用利用可
  • 開発元: Rocky Enterprise Software Foundation(RESF)
広告

Rocky Linux 9 の主な特徴

Rocky Linux 9はRHEL 9をベースとしており、Rocky Linux 8からカーネル・ライブラリ・コンパイラが大幅に更新されています。また、Rocky Linux 9以降ではPeridotと呼ばれるクラウドネイティブなビルドシステムが採用され、RHEL公開後1週間以内の新版リリースが実現しています。

Rocky Linux 8 との主な違い

項目 Rocky Linux 8 Rocky Linux 9
カーネル 4.18 5.14
OpenSSL 1.1.1 3.0.1
GCC 8.x〜10.x 11.2.1
Python(デフォルト) 3.6/3.8/3.9 3.9
OpenSSH 8.0p1 8.7p1
ネットワーク設定 ifcfgファイル形式 キーファイル形式(デフォルト)
ファイアウォール iptables利用可 nftables推奨
ビルドシステム 従来型 Peridot(クラウドネイティブ)

2027年5月以降のリスク

Rocky Linux 9のActive Supportは2027年5月31日に終了します。その後のMaintenance Support期間(〜2032年5月)はセキュリティ更新のみとなり、バグ修正や新機能は提供されません。現時点から移行計画を立てておくことで、2027年の切り替えをスムーズに進められます。

1. バグ修正・機能更新の停止

Active Support終了後はセキュリティ修正以外のパッチが提供されなくなります。パフォーマンス問題・互換性の不具合・新しいハードウェアへの対応などのバグ修正が停止するため、システムの安定性維持が困難になる可能性があります。

2. セキュリティ脆弱性の放置(2032年5月以降)

Maintenance Supportも終了する2032年5月以降は、セキュリティパッチが一切提供されなくなります。公開されたCVEに対して無防備な状態でシステムを運用し続けることになるため、EOLまでに次期バージョンへの移行を完了させることが重要です。

3. エコシステムサポートの縮小

各種ミドルウェア・コンテナイメージ・クラウドサービスのベンダーは、EOL前後からRocky Linux 9向けサポートを順次終了します。Dockerイメージのベース更新・Kubernetes対応・監視エージェントの新版対応などが受けられなくなります。

推奨される移行先

Rocky Linux 9のEOLは2032年と十分に先であるため、現時点では移行より現バージョンの適切な運用を優先してください。ただし長期的なシステム設計においては、後継となるRocky Linux 10(リリース時期未定)やその他RHEL系ディストリビューションへの移行を視野に入れた計画が必要です。

Rocky Linux 10(将来・リリース時期未定)

  • リリース予定: RHEL 10のリリース後(2025年以降と想定)
  • メリット: Rocky Linuxシリーズの継続。既存の運用ノウハウを最大限活用できる
  • 適したケース: 現在Rocky Linux 9を新規採用する場合の長期ロードマップとして想定

AlmaLinux 9

  • 完全EOL: 2032年5月31日(Rocky Linux 9と同一)
  • メリット: RHEL 9互換の別実装。ELevateツールによるインプレースアップグレードが充実
  • 適したケース: 将来の移行でインプレースアップグレードを優先したい場合

Red Hat Enterprise Linux(RHEL)

  • 完全EOL: RHEL 9は2032年5月31日
  • メリット: 商用サポート付き。Extended Update Support(EUS)・kpatch(ライブカーネルパッチング)が利用可能。Red Hat Developer Program(個人開発者向け)は無償
  • 適したケース: 商用サポートが必要な場合、認定ベンダーサポートが前提の業種

移行時の注意点(Rocky Linux 8 → 9)

インプレースアップグレードは非推奨
Rocky Linux 8 から Rocky Linux 9 へのインプレースアップグレードは公式に推奨されていません。クリーンインストール後にアプリケーション・設定・データを段階的に移行する手順が標準です。移行前に検証環境で十分なテストを行ってから本番環境に適用してください。

OpenSSL 1.1.1 → 3.0 の変更
OpenSSL 3.0では1.1.1との間にAPIの非互換性があります。OpenSSLにリンクするアプリケーション(Python・Ruby・Node.js・独自ビルドのソフトウェアなど)は、OpenSSL 3.0対応版への更新が必要です。特にTLS/SSL通信を実装しているアプリケーションでの動作確認を優先してください。

ネットワーク設定の移行
Rocky Linux 9ではNetworkManagerの設定ファイル形式がキーファイル形式(/etc/NetworkManager/system-connections/)に変更されています。Rocky Linux 8でifcfgファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/)を使用していた場合、移行時に設定内容を新形式へ書き直す必要があります。

ファイアウォール設定の確認
Rocky Linux 9ではnftablesが推奨されます。Rocky Linux 8でiptablesルールを手動管理していた場合、Rocky Linux 9への移行後にfirewalldの設定を見直してください。iptables互換レイヤー(iptables-legacy)は利用可能ですが、長期的にはnftablesへの移行を推奨します。

CPU要件の変更
Rocky Linux 9はx86-64-v2以上のCPUが必要です(SSE4.2・POPCNT命令セットが必須)。古い世代のIntel/AMDプロセッサではRocky Linux 9が動作しない場合があります。移行前にハードウェアの対応状況を確認してください。

物理サーバーの更新か、VPSへの移行か

Rocky Linux 8を物理サーバーで運用しており、EOLに合わせてRocky Linux 9へ移行する場合、ハードウェアの更新サイクルと重なるケースがあります。OSの移行とあわせてVPS(仮想プライベートサーバー)への移行を検討することで、今後のサーバー保守コストを大幅に削減できます。

VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。

比較候補サービス

エックスサーバーのVPSサーバー

圧倒的なコスパと処理性能。サーバー管理費用を大幅に削減したい場合の第一候補です。

さくらのVPS

創業1996年の老舗ホスティング事業者。豊富なプラン構成と、ドキュメントが充実しています。

KAGOYAのVPS

老舗ならではの安定したインフラと法人サポートが強み。長期運用を前提とした法人利用に適しています。

広告

公式情報

参考書籍


Rocky Linux & AlmaLinux実践ガイド impress top gearシリーズ

Rocky Linux & AlmaLinux実践ガイド impress top gearシリーズ


Rocky Linux 9 & AlmaLinux 9 実践ガイド(サーバ構築編)impress top gearシリーズ

Rocky Linux 9 & AlmaLinux 9 実践ガイド(サーバ構築編)impress top gearシリーズ


Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応

Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応