Rocky Linux 10(コードネーム: Red Quartz)は、2025年6月11日にリリースされたエンタープライズ向けLinuxディストリビューションです。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)10と100%のバイナリ互換性を持ち、Rocky Linux 9の後継版です。Active Supportは2030年5月31日まで、完全なサポート終了(EOL)は2035年5月31日です。本記事では、Rocky Linux 10のサポート終了日と、Rocky Linux 9からの移行時の注意点について解説します。
Rocky Linux 10 のサポート期限一覧
| サポート種別 | 開始日 | サポート終了日 | 現在のステータス |
|---|---|---|---|
| Active Support | 2025-06-11 | 2030-05-31 | サポート中 |
| Maintenance Support(セキュリティ更新のみ) | 2030-06-01 | 2035-05-31 | 今後提供 |
Rocky Linux 10 のサポートポリシー
Rocky Linux 10はRHEL 10のライフサイクルに準拠し、リリースから10年間のサポートが提供されます。最初の5年間(〜2030年5月)がActive Supportで、バグ修正・機能追加・セキュリティ更新がすべて提供されます。その後の5年間(〜2035年5月)はMaintenance Supportで、セキュリティ更新のみとなります。Rocky Linuxシリーズと同様に、新しいマイナーバージョンがリリースされると旧マイナーバージョンは即座にサポート終了となります(10.0は10.1リリース時にEOL済み)。
基本情報
- 最新バージョン: 10.1(2025年12月リリース)
- カーネルバージョン: Linux 6.12(RHEL 10と同一)
- RHEL互換性: RHEL 10と100%バイナリ互換(bug-for-bug compatible)
- OpenSSL: 3.5(ポスト量子暗号対応)
- Python(デフォルト): 3.12
- 対応アーキテクチャ: x86_64(v3以上必須), aarch64, s390x, ppc64le, RISC-V
- ライセンス: 無償・商用利用可
- 開発元: Rocky Enterprise Software Foundation(RESF)
Rocky Linux 10 の主な特徴
Rocky Linux 10はRHEL 10をベースとし、カーネル・暗号ライブラリ・開発環境が大幅に刷新されています。特にポスト量子暗号対応とx86-64-v3への要件引き上げが、企業システムへの影響として注目されます。
Rocky Linux 9 との主な違い
| 項目 | Rocky Linux 9 | Rocky Linux 10 |
|---|---|---|
| カーネル | 5.14 | 6.12 |
| OpenSSL | 3.0.1 | 3.5(ポスト量子暗号対応) |
| Python(デフォルト) | 3.9 | 3.12 |
| GCC | 11 | 14.2 |
| x86 CPU要件 | x86-64-v2以上 | x86-64-v3以上(必須) |
| RISC-Vサポート | なし | 追加 |
2030年5月以降のリスク
Rocky Linux 10のActive Supportは2030年5月31日に終了します。その後のMaintenance Support期間(〜2035年5月)はセキュリティ更新のみとなり、バグ修正や新機能は提供されません。現時点ではEOLまで十分な余裕がありますが、長期運用システムの設計段階でライフサイクルを考慮しておくことを推奨します。
1. Active Support終了後のバグ修正停止
2030年5月以降はセキュリティパッチ以外の修正が提供されなくなります。パフォーマンス問題・ハードウェア互換性・新しいソフトウェアへの対応といったバグ修正が停止するため、長期運用の計画を早めに立てることが重要です。
2. Maintenance Support終了後の完全停止(2035年5月)
2035年5月以降はセキュリティパッチも提供されなくなります。EOLの10年以上前から後継OSの評価を開始し、移行計画を立てておくことで、期限直前の混乱を防げます。
推奨される移行先
Rocky Linux 10はリリースされたばかりであり、現時点では移行より安定運用が優先事項です。将来の後継バージョン(Rocky Linux 11以降)の動向を定期的に確認し、Active Supportの終了に合わせて移行計画を立てることを推奨します。
Rocky Linux 11以降(将来・リリース時期未定)
- リリース予定: RHEL 11のリリース後(時期未定)
- メリット: Rocky Linuxシリーズの継続。既存の運用ノウハウを活用できる
- 適したケース: 長期的なロードマップ計画として想定
AlmaLinux 10
- 完全EOL: 2035年5月31日(Rocky Linux 10と同一)
- メリット: RHEL 10互換の別実装。ELevateツールによるインプレースアップグレードが充実している場合がある
- 適したケース: Rocky Linux以外のRHEL互換OSを検討している場合
移行時の注意点(Rocky Linux 9 → 10)
x86-64-v3 CPU要件(重要)
Rocky Linux 10はx86-64-v3以上のCPUが必須です(AVX・AVX2命令セットが必要)。Rocky Linux 9まで対応していたx86-64-v2(SSE4.2のみ)のCPUでは動作しません。移行前に必ずサーバーのCPUがx86-64-v3要件を満たすか確認してください。古いハードウェアではOSのアップグレードではなくサーバー更新が先になる場合があります。
Python 3.9 → 3.12 の変更
Rocky Linux 10ではPython 3.12がデフォルトです。Python 3.9から3.12への移行では、一部の非推奨APIが削除されています。特にdistutilsの削除(3.12で完全削除)や型ヒント関連の変更が影響する場合があります。既存のPythonアプリケーションは事前に3.12対応を確認してください。
インプレースアップグレードの対応状況
Rocky Linux 9 → 10 のインプレースアップグレードについては、Rocky Linux 10リリース初期のため公式手順が整備途上です。本番環境への適用前に公式ドキュメントの最新状況を確認し、クリーンインストールによる移行を基本として計画することを推奨します。
RISC-Vサポートの追加
Rocky Linux 10からRISC-Vアーキテクチャが正式サポートされました。新規インフラの選定時に選択肢が広がりましたが、RISC-V向けのソフトウェアエコシステムはまだ発展途上のため、本番導入には十分な検証が必要です。
物理サーバーの更新か、VPSへの移行か
Rocky Linux 9から10への移行でx86-64-v3のCPU要件が追加されたことで、古い物理サーバーではOSのアップグレードができないケースが生じます。このタイミングでVPS(仮想プライベートサーバー)への移行を検討することで、ハードウェア更新とOS移行を同時に解決できます。
VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。
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公式情報
- Rocky Linux バージョン・サポート期間 – Rocky Linux Wiki
- Rocky Linux 10.1 リリースノート – Rocky Linux Docs
- Rocky Linux 公式サイト