AlmaLinux 8

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AlmaLinux 8(コードネーム: Cerulean Leopard)は、2021年3月30日にリリースされたエンタープライズ向けLinuxディストリビューションです。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8とのABI互換性を持ち、CentOS 8の後継として多くの日本企業に採用されています。Active Supportは2024年5月31日に終了しており、現在はSecurity Support(セキュリティ更新のみ)の期間中です。完全なサポート終了(Security Support EOL)は2029年5月31日です。本記事では、AlmaLinux 8のサポート終了日と、AlmaLinux 9へのアップグレード方法について解説します。

AlmaLinux 8 のサポート期限一覧

サポート種別 開始日 サポート終了日 現在のステータス
Active Support 2021-03-30 2024-05-31 終了済み
Security Support(セキュリティ更新のみ) 2024-06-01 2029-05-31 サポート中

AlmaLinux 8 のサポートポリシー
AlmaLinuxはRHEL 8のライフサイクルに準拠した10年間のサポートを提供します。最初の5年間(〜2024年5月)がActive Supportで、バグ修正・機能追加・セキュリティ更新がすべて提供されます。その後の期間はSecurity Supportで、セキュリティ更新のみが提供されます。Rocky LinuxやRHELと同様に、新しいマイナーバージョンがリリースされると旧マイナーバージョンは即座にサポート終了となります(現在の最終マイナー版は8.10)。

基本情報

  • 最終マイナーバージョン: 8.10 “Cerulean Leopard”(2024年5月28日リリース)
  • カーネルバージョン: Linux 4.18系(RHEL 8と同一)
  • Python: 3.6(デフォルト)、3.9以降も利用可能
  • OpenSSL: 1.1.1系
  • 互換性方針: RHEL 8とのABI互換(アプリケーションバイナリインターフェース互換)
  • 対応アーキテクチャ: x86_64, aarch64, s390x, ppc64le
  • ライセンス: 無償・商用利用可
  • 開発元: AlmaLinux OS Foundation
  • 後継製品: AlmaLinux 9(Security Support 2032年5月まで)

AlmaLinux 8 の主な特徴

AlmaLinuxは2021年、CloudLinux社がCentOS 8のサポート終了(2021年12月)に対応するため立ち上げたプロジェクトです。現在はAlmaLinux OS Foundationがガバナンスを担い、コミュニティ主導で開発が継続されています。2023年以降はRHELとの「バグフォーバグ」互換からABI互換へ方針を転換しましたが、実用上のアプリケーション互換性は維持されています。

ELevateツールによるアップグレード対応

AlmaLinux独自の強みとして、ELevateツールによるメジャーバージョン間のインプレースアップグレードが公式サポートされています。AlmaLinux 8からAlmaLinux 9へのインプレースアップグレードが可能で、Rocky Linux 8では実質非推奨となっているインプレースアップグレードと比較して、移行コストを大幅に削減できます。

2029年5月以降のリスク

AlmaLinux 8のSecurity Supportは2029年5月1日に終了します。Active Supportはすでに2024年5月に終了しており、現在は新機能追加やバグ修正は提供されていません。2029年に向けた計画的な移行が求められます。

1. Security Support終了後のセキュリティリスク

2029年5月以降はセキュリティパッチが一切提供されなくなります。Linux 4.18カーネル・OpenSSL 1.1.1というコンポーネントは2029年時点では非常に古い世代となっており、既知の脆弱性への対応が完全に止まります。外部公開サービスへのリスクは深刻です。

2. Active Support終了によるバグ修正の制限(現在進行中)

2024年6月以降のSecurity Supportフェーズでは、セキュリティ修正以外のバグ修正・新機能・新ハードウェア対応は提供されません。新しいソフトウェアやクラウドサービスとの互換性維持が困難になっています。

3. エコシステムサポートの縮小

DockerイメージのベースOS・Kubernetes・各種監視エージェント・Webフレームワークのベンダーは、EOL前後からAlmaLinux 8向けサポートを順次終了しています。新しいソフトウェアをAlmaLinux 8上で動作させることは困難になっています。

推奨される移行先

AlmaLinux 8からの移行先はAlmaLinux 9が最有力です。ELevateツールを使用することでインプレースアップグレードが公式サポートされており、Rocky Linux 8からの移行と比較して大幅にコストを削減できます。

AlmaLinux 9(推奨)

  • Active Support終了: 2027年5月31日 / 完全EOL: 2032年5月31日
  • 最新版: 9.7(2025年11月リリース)
  • メリット: ELevateによるインプレースアップグレードが公式サポート。Linux 5.14カーネル・OpenSSL 3.0対応
  • 適したケース: 移行コストを最小化してAlmaLinuxを継続利用したい場合

Rocky Linux 9

  • 完全EOL: 2032年5月31日
  • メリット: RHEL 9と100%バイナリ互換。AlmaLinuxより厳密なRHEL互換性を重視する場合の選択肢
  • 注意点: AlmaLinux 8からのインプレースアップグレードは非推奨。クリーンインストールが必要

RHEL 9(商用サポートが必要な場合)

  • 完全EOL: 2032年5月31日
  • メリット: Red Hatの商用サポート・EUS・kpatch(ライブカーネルパッチング)が利用可能
  • 適したケース: 医療・金融・官公庁向けなど商用サポートが必須の場合

移行時の注意点(ELevateによる8→9アップグレード)

ELevateによるインプレースアップグレード手順
AlmaLinux 8からAlmaLinux 9へのインプレースアップグレードはELevateツールで公式サポートされています。leapp preupgradeでプレアップグレードレポート(/var/log/leapp/leapp-report.txt)を生成し、指摘事項をすべて解消してから本番アップグレードを実施してください。アップグレードは2回のリブートで完了します。本番環境への適用前に、必ずスナップショットまたはバックアップを取得してください。

OpenSSL 1.1.1 → 3.0 の変更
AlmaLinux 9ではOpenSSL 3.0が採用されており、1.1.1とのAPI非互換性があります。OpenSSLに依存するアプリケーション(Python・Ruby・独自ビルドのソフトウェア)は、OpenSSL 3.0対応版への更新が必要です。TLS/SSL通信を実装しているアプリケーションの動作検証を優先してください。

Python 3.6 → 3.9 の変更
AlmaLinux 9のデフォルトPythonは3.9です。既存のPythonスクリプト・自動化ツール・Ansibleプレイブックの3.9対応を事前に確認してください。Python 2.7は利用不可となります。

ネットワーク設定の移行
AlmaLinux 9ではNetworkManagerのデフォルト設定がキーファイル形式に変更されています。ifcfgファイルで管理していたネットワーク設定は、アップグレード時に変換されますが、複雑な設定は手動確認が必要です。

物理サーバーの更新か、VPSへの移行か

AlmaLinux 8を物理サーバーで運用している場合、2029年のSecurity Support終了はハードウェアの更新サイクルと重なる可能性があります。OSの移行とあわせてVPS(仮想プライベートサーバー)への移行を検討することで、今後のサーバー保守コストを大幅に削減できます。

VPS移行により、ハードウェア保守からの解放と柔軟なスケールアップが可能になります。初期費用なしで最新OS環境を構築でき、バックアップや監視もクラウド側のサービスを活用できます。

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公式情報