Redis 6.2

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Redis 6.2 は 2021年2月22日にリリースされた Redis Ltd. 製のインメモリデータストアです。セキュリティサポートは 2026年5月5日に終了しており、現在はセキュリティパッチが提供されていません。注意が必要なのは、移行先として検討されていた Redis 6.2・7.2・7.4 が同じ 2026年5月5日に一斉に EOL を迎えた点です。現在セキュリティパッチを受け取れるのは Redis 8.x のみです。本記事では Redis 6.2 のサポート状況と移行手順を解説します。

Redis 6.2 のサポート期限一覧

バージョン リリース日 アクティブサポート終了 セキュリティサポート終了
Redis 6.0 2020-04-30 2021-02-22(終了済み) 2022-05-31(終了済み)
Redis 6.2(対象) 2021-02-22 2022-04-27(終了済み) 2026-05-05(終了済み)
Redis 7.0 2022-04-27 2023-08-15(終了済み) 2024-07-29(終了済み)
Redis 7.2 2023-08-15 2024-07-29(終了済み) 2026-05-05(終了済み)
Redis 7.4 2024-07-29 2025-05-02(終了済み) 2026-05-05(終了済み)
Redis 8.0(推奨) 2025-05-02 サポート中 サポート中

Redis のサポートポリシー
Redis は新しいマイナーバージョンがリリースされると前バージョンのアクティブサポートが終了し、その後一定期間セキュリティパッチのみが提供されます。2026年5月5日時点で Redis 6.0〜7.4 はすべてサポートが終了しており、現在セキュリティパッチを受け取れるのは Redis 8.x のみです。

基本情報

  • リリース日: 2021年2月22日
  • 最終バージョン: 6.2.22
  • アクティブサポート終了: 2022年4月27日(終了済み)
  • セキュリティサポート終了: 2026年5月5日(終了済み)
  • 後継製品: Redis 8.0(現行推奨)
  • 主な追加機能: ACL v2 改善・COPY コマンド・GETEX コマンド・GEOSEARCH コマンド・Streams コンシューマグループ改善・SET オプション拡張(EXAT/PXAT)
  • ライセンス: BSD 3-Clause(6.2 時点)

Redis 6.2 の主な特徴

Redis 6.2 は Redis 6.0 で導入された ACL・TLS 等の機能を改良し、実用性を高めたマイナーバージョンです。開発者の利便性を向上させる多数の新コマンドが追加されています。

新コマンド(COPY・GETEX・GETDEL)

COPY コマンドにより、キーのコピーが単一コマンドで実行可能になりました。以前は DUMP + RESTORE による迂回が必要でした。GETEX は値の取得と TTL の更新を一度に行え、セッション管理の実装が簡素化されます。GETDEL は取得と同時に削除する操作をアトミックに実行できます。

GEOSEARCH・地理空間クエリの強化

GEOSEARCH および GEOSEARCHSTORE コマンドが追加され、地理空間データの矩形範囲(BYBOX)・円形範囲(BYRADIUS)検索がより柔軟になりました。位置情報サービスや配達エリア判定などの実装に役立ちます。

SET コマンドのオプション拡張

SET コマンドに EXAT(Unix タイムスタンプで有効期限指定)・PXAT(ミリ秒タイムスタンプ)・GET(セット前の値を返す)オプションが追加されました。複数のコマンドを組み合わせていた処理を単一コマンドで実現できます。

サポート終了後のリスク

Redis 6.2 はセキュリティサポートが 2026年5月5日に終了したばかりです。早急な移行計画が必要です。

1. 新規脆弱性への無防備な状態

2026年5月5日以降に発見される CVE に対するセキュリティパッチは提供されません。Redis はキャッシュ・セッション・ジョブキューなど多様な用途で使われており、侵害された場合の影響範囲が広くなりがちです。特にインターネットからアクセス可能なポート(6379)が開放されている場合は深刻なリスクです。

2. マネージドサービスでの強制アップグレード

Amazon ElastiCache・Azure Cache for Redis・Google Cloud Memorystore では EOL バージョンのサポートが段階的に廃止されます。各プラットフォームの強制アップグレードスケジュールを確認し、サービス側による予期せぬ移行が発生する前に自主移行を完了することを推奨します。

3. ライブラリ・フレームワークとの互換性

Redis クライアントライブラリ(Jedis・StackExchange.Redis・redis-py・ioredis 等)は最新バージョンに対応する形で更新されており、古い Redis バージョンとの動作確認が省略されていくケースが増えます。また Redis 7.x 以降で導入された Redis Functions・LMPOP・OBJECT FREQ 等を使用するコードと組み合わせた際の互換性問題も発生し得ます。

推奨される移行先

Redis 6.2 から Redis 8.0 への移行は、基本コマンドの互換性が高いため比較的スムーズに行えます。ただし ACL 設定の調整、廃止された設定オプションへの対応、ライセンス変更の確認が必要です。

Redis 8.0 — 推奨(現行安定版)

  • リリース日: 2025年5月2日
  • 最終バージョン: 8.0.6
  • 主な更新: Redis Functions・Sharded Pub/Sub・LMPOP/ZMPOP・ACL カテゴリ拡充・OBJECT FREQ によるキャッシュ管理強化
  • メリット: 現在唯一セキュリティサポートを受けられるバージョン。マネージドサービスのサポート対象
  • ライセンス注意: Redis 7.4 以降は RSALv2 + SSPL ライセンスに変更。BSD ライセンスが必要な場合は Valkey を検討

Valkey — OSS フォーク(BSD ライセンス継続)

  • 概要: Redis がライセンスを変更した 2024年3月以降、Linux Foundation が主導する OSS フォーク(Redis 7.2 ベース)
  • 互換性: Redis プロトコル完全互換。既存クライアントライブラリをそのまま使用可能
  • メリット: BSD ライセンスを維持。AWS・GCP 等クラウドプロバイダーが採用を進めている
  • 注意点: Redis 固有のモジュール(RediSearch・RedisJSON 等)は含まれない

移行時の注意点

ACL 設定の確認
Redis 6.2 で ACL を設定している場合、redis-cli ACL LIST で現在の設定を確認し、新バージョンの aclfile または redis.conf に移行してください。Redis 8.0 では ACL カテゴリが追加されており、ワイルドカード設定の適用範囲が変わる場合があります。

廃止された設定オプションへの対応
Redis 7.x 以降で廃止・変更された設定オプションがあります。特に hash-max-ziplist-entrieshash-max-ziplist-value 等は 7.0 以降で別名(hash-max-listpack-*)に変更されています。redis-server --check-system-config で設定の互換性を事前に確認してください。

ライセンス変更の確認
Redis 7.4 以降は RSALv2 + SSPL のデュアルライセンスです。SaaS として Redis を組み込んで提供する場合や、クラウドサービスとして再配布する場合はライセンス条件を確認してください。BSD ライセンスが必要な環境では Valkey への移行を検討してください。

レプリケーション環境での段階的移行
プライマリ・レプリカ構成では、まずレプリカを新バージョンにアップグレードして動作確認後、フェイルオーバーでプライマリを切り替える方法でダウンタイムを最小化できます。

サーバーのリフレッシュか、マネージドキャッシュへの移行か

Redis 6.2 を稼働させているサーバーは4年以上経過しているケースが多く、ハードウェア・OS の更新タイミングとしても適切です。Redis のアップグレードと合わせてマネージドキャッシュサービスや VPS への移行を検討することで、運用負荷の軽減とインフラ全体の近代化を実現できます。

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公式情報