Redis 7.4 は 2024年7月29日にリリースされた 7.x 系の最終安定バージョンです。アクティブサポート(新機能・バグ修正)は 2025年5月2日(Redis 8.0 リリース日)に終了していますが、セキュリティサポートは現在も継続中です。Redis のサポートポリシーでは「最新安定版 + 2つの旧バージョン」がセキュリティパッチを受けるため、Redis 8.x・7.4・7.2 が現在のサポート対象です。本記事では Redis 7.4 のサポート状況と Redis 8.0 または Valkey への移行手順を解説します。
Redis 7.4 のサポート期限一覧
| サポート種別 | 開始日 | 終了日 | 現在のステータス |
|---|---|---|---|
| アクティブサポート(新機能・バグ修正) | 2024-07-29 | 2025-05-02 | 終了済み |
| セキュリティサポート | 2025-05-02 | 未発表 | 継続中 |
Redis OSS のサポートポリシー
Redis OSS は「最新安定版 + 前2バージョン」がセキュリティパッチを受けるポリシーです。Redis 8.x リリース後は 8.x・7.4・7.2 がサポート対象となっています。Redis 7.4 はアクティブサポート(新機能・バグ修正)が 2025年5月2日に終了していますが、セキュリティパッチは引き続き提供されています。
基本情報
- リリース日: 2024年7月29日
- 最終バージョン: 7.4.9
- アクティブサポート終了: 2025年5月2日(終了済み)
- セキュリティサポート終了: 未発表(継続中)
- 後継製品: Redis 8.0(現行推奨)・Valkey(OSS フォーク)
- ライセンス: RSALv2 / SSPLv1(2024年3月のライセンス変更後リリース)
- 主な新機能: Hash Field Expiration(ハッシュフィールド単位の TTL 設定)・クラスタ自動フェイルオーバーの改善・SFLAGS(Server-side function flags)強化
アクティブサポート終了後のリスクと移行の必要性
アクティブサポートは 2025年5月2日に終了しており、新機能追加・バグ修正は行われません。現時点ではセキュリティパッチは継続していますが、将来的には提供が停止する予定であり、計画的な移行を推奨します。
1. 将来的なセキュリティリスク
セキュリティサポートが終了した場合、新たに発見された CVE に対するパッチが提供されなくなります。Redis はインメモリで認証情報・セッショントークン・個人情報を扱うケースが多く、脆弱性の放置は情報漏洩やデータ改ざんのリスクに直結します。外部公開されている Redis エンドポイントや、アプリケーションから直接アクセスされる環境は特に注意が必要です。
2. エコシステムとの非互換
Redis クライアントライブラリ(redis-py・ioredis・Jedis 等)は最新の Redis バージョンに向けた開発が進んでおり、7.4 固有のバグ対応は縮小されます。AWS ElastiCache・Azure Cache for Redis・Google Cloud Memorystore などのマネージドサービスも、Redis バージョンのサポートライフサイクルに合わせてアップグレード要件を設けています。
3. Redis 8.x の新機能を活用できない
Redis 8.x ではベクトル検索・全文検索・AI 統合機能(従来の Redis Stack 機能)が標準搭載され、ACL の強化やマルチスレッド I/O の改善も行われています。Redis 7.4 に留まる限り、これらの機能は利用できません。なお Redis 7.4 も RSALv2/SSPLv1 ライセンスであるため、8.x への移行にライセンス変更は伴いません。
推奨される移行先
Redis 7.4 からの移行先は、ライセンスをそのまま継続できる Redis 8.x が最もスムーズです。ライセンスを BSD に戻したい場合は Valkey が選択肢になります。
Redis 8.0 — 推奨(同一ライセンス・最新機能)
- リリース日: 2025年5月2日
- 最新バージョン: 8.0.6
- ライセンス: RSALv2 / SSPLv1(7.4 と同一)
- 主な追加機能: LMPOP/ZMPOP・ACL カテゴリ拡充・OBJECT FREQ による LFU 管理強化・Redis Functions 安定化
- メリット: ライセンス変更なしで移行可能。現在唯一セキュリティサポートを受けられるバージョン
- 注意点: SaaS 形式でサービスを提供している場合は SSPLv1 の制約を確認。7.4 → 8.0 の移行では RDB 互換性を確認
- 適したケース: すでに RSALv2/SSPLv1 ライセンスを承認済みの環境・新機能を活用したい場合
Valkey — BSD ライセンスへの回帰
- 管理主体: Linux Foundation(2024年3月〜)
- ライセンス: BSD 3-Clause
- 互換性: Redis 7.x と高い互換性
- クラウドサポート: AWS ElastiCache・GCP Memorystore が Valkey に対応済み
- メリット: OSS ライセンスに戻ることで SaaS 組み込みの制約を解消。Linux Foundation による長期的なコミュニティ運営
- 適したケース: RSALv2/SSPLv1 を受け入れられない場合・OSS コンプライアンスを重視する場合
移行時の注意点
Redis 7.4 → 8.x のアップグレード
メジャーバージョンをまたぐアップグレードになります。Redis 7.4 の RDB ファイルは Redis 8.x で読み込み可能ですが、8.x で保存した RDB を 7.4 にロールバックすることはできません。アップグレード前に必ずバックアップを取得してください。
Hash Field Expiration の動作確認
Redis 7.4 で導入された Hash Field Expiration を利用している場合、Redis 8.x でも同機能が継続されますが、動作の細部が変わる可能性があります。移行前に検証環境での確認を推奨します。
Sentinel / Cluster 構成の移行
Redis Sentinel または Cluster 構成の場合、全ノードを順次アップグレードする必要があります。Cluster モードでは CLUSTER INFO でクラスタ状態を確認しながら、1台ずつローリングアップグレードを実施してください。
物理サーバーの更新か、マネージドサービスへの移行か
Redis 7.4 の保守フェーズ移行を機に、セルフホスト型からマネージドサービスへの移行を検討する企業も増えています。AWS ElastiCache・Azure Cache for Redis・Google Cloud Memorystore は Valkey 対応を進めており、OSS ライセンスを維持したまま運用負荷を軽減できます。
VPS 上でセルフホストを続ける場合は、Redis 8.x または Valkey の最新版をクリーンインストールし、RDB バックアップからデータを移行する方法が確実です。