MySQL 8.4 は 2024年4月にリリースされた LTS(Long-Term Support)バージョンです。Premier Support は 2029年4月30日まで、Extended Support(有償)は 2032年4月30日まで提供されます。前世代の MySQL 8.0(Extended Support: 2026年4月30日終了)からの移行先として最適なバージョンであり、本記事では MySQL 8.4 のサポートスケジュールと MySQL 9.x LTS への移行手順を解説します。
MySQL 8.4 のサポート期限一覧
| サポート種別 | 開始日 | 終了日 | 現在のステータス |
|---|---|---|---|
| Premier Support(バグ修正・セキュリティパッチ・新機能) | 2024-04-30 | 2029-04-30 | サポート中 |
| Extended Support(有償・セキュリティパッチ中心) | 2029-05-01 | 2032-04-30 | 将来(有償) |
MySQL のサポートポリシー
MySQL LTS リリースは Premier Support 5年+Extended Support 3年の合計8年間サポートされます。Extended Support は Oracle の有償サポート契約が必要です。MySQL 8.4 は LTS バージョンであるため、最長 2032年4月30日まで利用可能です。
基本情報
- リリース日: 2024年4月30日(LTS指定)
- 最新バージョン: 8.4.9
- Premier Support 終了: 2029年4月30日
- Extended Support 終了: 2032年4月30日(Oracle有償サポート契約が必要)
- 後継製品: MySQL 9.x LTS(次期 LTS バージョン)
- 主な新機能: GTID 管理の簡素化・レプリケーション設定の簡略化・InnoDB の改善・認証プラグイン整理(mysql_native_password の非推奨化)
MySQL 8.0 からの移行が必要な理由
MySQL 8.0 は Extended Support が 2026年4月30日で終了しており、現在はサポート対象外となっています。セキュリティパッチを受け取るには MySQL 8.4 LTS(または最新 LTS)への移行が必要です。
1. セキュリティパッチの停止
MySQL 8.0 のExtended Supportが終了した後は、新たに発見された CVE に対する公式パッチが提供されません。MySQL はインターネット公開されているシステムで広く使われており、脆弱性の放置はデータ漏洩・改ざんリスクに直結します。定期的な Critical Patch Update(CPU)を受け続けるためには、サポート対象バージョンへの移行が必須です。
2. クラウドマネージドサービスのサポート終了
Amazon RDS・Aurora・Azure Database for MySQL・Google Cloud SQL は、Oracle のサポートポリシーに合わせてバージョンのサポート終了日を設定しています。MySQL 8.0 のサポートが終了したマネージドサービスでは、自動アップグレードが実施される場合があり、準備なしに移行されると予期しない動作変化が発生する可能性があります。
3. mysql_native_password の廃止
MySQL 8.4 では mysql_native_password 認証プラグインがデフォルト無効になりました。MySQL 8.0 からの移行時、このプラグインを使用しているアプリケーションやユーザーアカウントは再設定が必要です。事前に SELECT user, plugin FROM mysql.user で利用状況を確認してください。
推奨される移行先
MySQL 8.0 からは MySQL 8.4 LTS への移行が推奨されます。8.4 は同じ 8.x 系であり、アップグレードの互換性が高く、既存アプリケーションへの影響を最小限に抑えられます。
MySQL 8.4 LTS — 推奨(8.x 互換・長期サポート)
- リリース日: 2024年4月30日
- 最新バージョン: 8.4.9
- EOL: 2029年4月30日(Premier Support)/ 2032年4月30日(Extended Support)
- 互換性: MySQL 8.0 との高い互換性(
mysql_native_passwordを除く) - メリット: 8.x 系の中で最も長期のサポートが得られる。クラウドマネージドサービスでも対応済み
- 注意点:
mysql_native_password認証プラグインはデフォルト無効。移行前に全ユーザーの認証プラグインを確認すること
MySQL 9.x LTS — 次世代 LTS(現時点では計画段階)
- 位置づけ: MySQL 8.4 の次の LTS バージョン(詳細は未発表)
- 適したケース: 2029年以降の長期利用を計画している場合
MySQL 8.0 → 8.4 アップグレードの注意点
認証プラグインの変更
MySQL 8.4 では mysql_native_password がデフォルト無効です。アップグレード前に以下のコマンドでプラグイン利用状況を確認し、caching_sha2_password への移行または一時的な再有効化を計画してください。
-- mysql_native_password を使用しているユーザーを確認
SELECT user, host, plugin FROM mysql.user WHERE plugin = 'mysql_native_password';
インプレースアップグレード
MySQL 8.0 → 8.4 はインプレースアップグレード(バイナリ差し替えによるアップグレード)が可能です。ただし、アップグレード前に必ずデータバックアップを取得し、テスト環境で動作確認を実施してください。
レプリケーション設定の変更
MySQL 8.4 ではレプリケーション管理コマンドが整理されました。CHANGE MASTER TO は CHANGE REPLICATION SOURCE TO に置き換えられており、旧コマンドは非推奨です。レプリケーション構成がある場合は設定スクリプトも合わせて更新してください。
物理サーバーの更新か、マネージドサービスへの移行か
MySQL 8.0 のサポート終了を機に、セルフホスト型からクラウドマネージドサービスへの移行を検討する企業も増えています。Amazon RDS・Aurora MySQL・Azure Database for MySQL は MySQL 8.4 に対応しており、パッチ適用・バックアップ・フェイルオーバーを自動化できます。
VPS 上でセルフホストを続ける場合は、MySQL 8.4 の公式リポジトリからパッケージを取得し、インプレースアップグレードを実施するのが最も確実な手順です。